ソーシャル・ビジネス(Social Business)

ソーシャル・ビジネス(Social Business)とは、M.ユヌス(2010)によって構築された概念で、社会の諸問題を解決するために営まれるビジネスのことです。なぜ、MLLはNPOとしてソーシャル・ビジネスを行う必要があるのでしょうか。

平和構築のツールとしてのビジネス

MLLは、ビジネスが相互扶助を促進する役割を果たすと考えています。

スリランカには、民族や宗教を基盤としたアイデンティティ集団が多様に存在し、長年スリランカで続いた民族紛争はその集団間の垣根を大きなものにしてしまいました。これからのスリランカにとって大切なことは、民族や宗教の差異を越え、互いに手を取り合い協力し助け合うことです。ビジネスは、民族や宗教の差異を乗り越え、お互いにとって共通した価値あるものになるはずです。ひとたび紛争が起こってしまえばビジネスを行うことは到底できず、みんなにとっても不利益になります。一方で、そのビジネスで生まれた利益は、特定の個人や集団のものではなく、その地域に住む人たちにとっての財産となります。そのビジネスをコミュニティにおける共通の財産として守るためには、民族や宗教の差異を越えて、互いを正しく理解し助け合っていく必要があります。だからこそ、コミュニティを基礎にしたソーシャル・ビジネスには平和を促進する力があるとMLLは信じています。

ビジネスはプロジェクトの持続性を支える

MLLは、ビジネスがプロジェクトの持続性を支える大きな役割を果たすと考えています。

NGOやNPOにとってプロジェクトの持続性のためにビジネスの視点を取り入れることが必要不可欠です。これまでのNGOやNPO活動は、社会奉仕の観点から政府からの補助金やNGOやNPOを支援してくださる方々の寄付金により成り立っていました。そのため、その補助金や寄付金の期間が終了すれば、NGOやNPOも、どんなによいプロジェクトであっても打ち切らざるを得ませんでした。さらに言えば、そのNGOやNPOのプロジェクトが終わるということは、そのプロジェクトに関係していたスタッフ並びに、支援を糧に生活していた現地の人たちの仕事も同時になくなってしまうということです。現地の人たちNGOやNPOにとって、プロジェクトを継続的に続けるということが何よりも重要なことです。

ビジネスはパートナーシップを強固にする

MLLは、ビジネスがパートナーシップ関係を強くする大きな役割を果たすと考えています。

これまでのNGOやNPOの活動は社会奉仕活動という特性上、大きな努力が行われていますが、「支援をする者」と「支援を受ける者」という関係を拭うことができていません。しかし、ビジネスは、「支援をする者」と「支援を受ける者」という関係ではなく、同じ目標をともに達成するパートナーです。MLLの活動では、ともに働く現地の人たちの自主性を重んじ、かつ現地の人たちが自立的に活動していけるように支援をしていきます。

また、ソーシャル・ビジネスでは、自分たちの活動が自分たちの生活を支え、また一方活動で生まれた利益がほかの人たちも救うことができます。その成果は、自分たちが活動したことから生まれたことが目に見えてわかり、大きなモチベーションにもなります。そのような支え合いの社会をソーシャル・ビジネスはつくることができるのです。

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Mother Land Lanka

20/8 PANDIWATTE ROAD, NATTARANPOTHA, KANDY, SRI LANKA
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