平和構築(peacebuilding)

MLLがめざす平和は、スリランカのすべての人たちが、今日も、そして明日も、安心してともに暮らし、自己実現できる公正な社会のことです。

平和構築

2009 年に内戦が終わり、ようやく少し平和の「芽」が出てきたスリランカ。しかし、内戦が終結しおよそ 10 年が経過しましたが、現在でも今だ、内戦の主戦場であった北部州では開発が進まず、首都がおかれている西部州トとの経済格差は広がる一方です。また、内戦後の新たな民族対立も顕在化しつつあります。内戦中は、スリランカ政府と反政府政府勢力のタミル・イーラム解放の虎(Liberation Tigers of Tamil Eelam: LTTE)との間の争いでした。一方で、新しい対立の特徴は、シンハラ住民とムスリム住民の間で生じていることです。約 30 年も内戦を経験したスリランカですが、近年は新たな紛争の火種がくすぶっています。したがって、シンハラ・タミル・ムスリムすべての民族が共に手を携え、持続的な平和というゴールに向かい協力していくことが不可欠です。

こうした中私たちは、スリランカの希少な伝統有用植物の栽培を通じて、平和構築活動を行います。平和構築(peacebuilding)とは、1992年にブトロス・ガリ氏の『平和への課題』(1992年)により、「紛争の再発を回避するために、平和を強化し強固な構造を発見し、支援するための活動」として国際的に認知されています。その概念を踏まえて、私たちは、スリランカで紛争が再度生じることを防ぐため、草の根の活動を通して、長期化した紛争により分断されたコミュニティをつなぎ、すべての民族宗教のもつスリランカの人たちが共生する場をつくります。

平和とはなにか

MLLがめざす平和は、スリランカのすべての人たちが、今日も、そして明日も、安心してともに暮らし、自己実現できる公正な社会のことです。

MLLがめざす平和は、スリランカのすべての人たちが、今日も、そして明日も、安心してともに暮らし、自己実現できる公正な社会のことです。MLLは、自己実現を行うには、「能力」「モチベーション」「機会」の3つが必要だと考えています。

「能力」と「モチベーション」は個人的要因ですが、「機会」はさまざまな社会的要因によって妨げられています。その社会的要因が、「紛争」、「貧困」、「災害」、「健康」、「教育」の5つです。もし「紛争が生じていれば」、「もし貧しく食べるものが手に入らなければ」、「もし災害が発生すれば」、「もし健康でなかったら」、そして「もし正しく教育が受けられなかったら」、そのような状況下では、私たちは自己実現どころか、常に生命を脅かされ、明日への希望もなくなってしまいます。MLLが重要視しているのは、紛争などの「直接的暴力がない」という状態の狭義の「平和」だけでなく、社会構造の中に埋め込まれた「構造的暴力がない」という状態の広義の「平和」の実現です。MLLは、「紛争」、「貧困」、「災害」、「健康」、「教育」5つを活動領域とし、国際機関や政府、企業、市民団体といったさまざまな平和のためのアクターと共創しながら、スリランカの平和に資する活動に取り組んでいきます。

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Mother Land Lanka

20/8 PANDIWATTE ROAD, NATTARANPOTHA, KANDY, SRI LANKA
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